旧仲宗根家

琉球後期一般民家のたたずまい

竣工年琉球王国時代 後期
移築前所在地読谷村座喜味

歴史や背景

旧仲宗根家は、1800年後期に読谷村座喜味に建築されました。
そのあと1904(明治37)年に読谷村儀間に移築され、琉球村へは1984(昭和59)年に移築されました。

旧仲宗根家は、座喜味村発祥の「七家」の一つに数えられる旧家です。
この家屋の持ち主である仲宗根家の先祖は、琉球の三山時代である1300年ごろに活躍した北山国の仲宗根大親です。
仲宗根大親は、戦乱の最中に追われて読谷山間切真栄田に逃げ延び、その後座喜味に移って座喜味地域の仲宗根姓の祖となったと伝えられています。

家のつくりは母屋と前の家(めーぬやー)と呼ばれる離れの二棟からなっており、 典型的な一般民家のたたずまいをしています。

注目ポイント

母屋(うふや)

沖縄古民家の母屋は、玄関らしきものがなく、開口部の大きな縁側から出入りすることが一般的です。

間取りは、客間として使用された一番座や、仏壇のある二番座、今でいうリビングのような役割の三番座があります。

各部屋の裏側には、寝室や収納部屋として使用される裏座もありました。

前の家(めーぬやー)

前の家とは別名アシャギとも言い、母屋と離れた場所にあり、 来客の宿泊や隠居部屋として使われていた建物です。

裕福な家庭では、王府の役人や貴族などの接待に使用されていました。

旧仲宗根家で体験できること

旧仲宗根家では、織機や染織物の展示をしております。
沖縄では、日本本土に匹敵するほど多様な織物があり、その種類や歴史などを知ることで、より深く琉球を知ることができるでしょう。

染織物とは

琉球王国の大交易時代に、中国や東南アジア、インドと盛んに取引を行うなかで、これらの地域から絣(かすり)や染織の影響を受け、琉球独自の発展を遂げました。

代表的な工芸品として、八重山ミンサーや琉球絣、芭蕉布など、日本本土の染織物に匹敵するほど多様な織物があります。

旧仲宗根家では、それらの染織物をつくるための織り機が展示されています。

染織物の種類について

沖縄には、代表的な染織物が複数あります。
そのなかでも、琉球村で展示している染織物を紹介します。

ミンサー:八重山諸島で作られる織物。5つと4つの絣模様に「いつの世も末永く」という意味を込められており、女性が愛する男性へ贈ったとされている。

琉球絣:南風原町一帯でつくられる織物。沖縄の自然や動植物を取り入れた600種類の図案が特徴的。中国や東南アジアの影響を受け独自の絣が沖縄各地でつくられ、海を渡り、日本本土にある絣は琉球絣がルーツとされている。