100 OKI SONG

「海やから」 ~今に伝わる歌と踊り 琉球の原風景を訪ねる旅~

「海ヤカラ ドンドン スーリ エイスーリ」。明るく華やかな曲調でエイサーの定番曲となった「海やから」。琉球村では、「海やから」を園内で実演。古の沖縄に伝わる伝統芸能「エイサー」を未来に伝承しています。ぜひ、琉球村でご体感ください。

photo:宮市 PORCO 雅彦 Website https://porcophoto.com

海やから

沖縄は旧盆、エイサーの季節
今年もまた沖縄にエイサーの季節が訪れた。エイサーとは、本土の盆踊りにあたる沖縄の伝統芸能のひとつ。主に各地域の青年会がそれぞれの型を持ち、旧盆の夜に地域内を踊りながら練り歩く、道ジュネーを行う。元々エイサーは、祖霊をお送りするウークイの日の夜に踊られていた。年々エイサー熱は高まり、祖先崇拝などの信仰の意味合いのみならず、娯楽的な要素を持った沖縄の伝統芸能として各地で競い合って踊られるほか、アクロバティックな振り付けを施した創作エイサーなども生まれている。琉球村で毎日上演されるエイサーは、青年会の伝統エイサーを踏襲したスタイル。

男女に好まれたアシビ歌(恋歌)の「海やから」がエイサーの定番曲に
今回は、琉球村でも踊られるエイサーの定番曲「海やから」について解説したい。「海やから」は、糸満市真栄里に残る「ドンドンガマ」という名の洞窟を舞台とする恋歌。「むかし、魚捕りの巧みな他シマ(よそ者)の青年「海やから」に、部落の美童(美しい娘)が惚れこみ、ドンドンガマ(洞窟)で夜な夜なあいびきを重ねていた」というストーリー。

海やからーに惚りてぃ 夜ぬ明きし知らん 如何し親加那志 御返事さびが
(訳:海やからに惚れてしまって、夜が明けるのも知りませんでした。親にはどのように言い訳しましょうか)糸満市真栄里では、旧暦8月16日に行われる綱引きのときに、この歌詞で踊られる。明るく華やかな曲調から、多くの人々に親しまれ、現在も歌詞を変えて各地のエイサーなどで歌われている。沖縄全島的に歌われているスタンダードな歌詞は右記。琉球村では、旧盆の時期のみならず、年間を通して、エイサーを楽しめる。勇壮な中にも遊び心があるエイサー曲「海やから」を琉球村で体感してください。

  • ① 頭巾(マンサージ)の粋な結び。メンバーそれぞれにこだわりがある
  • ② エイサーを華やかす手踊り
  • ③ ドンドンガマのある沖縄県糸満市字真栄里のロンドン杜公園の 展望台からの眺望。緑生い茂る山中にドンドンガマは実在する。人目を忍ぶには、恰好の場所だったに違いない。
  • ④ 【海やから演舞】2020年11月14日までの期間、実演
    【撮影モデル】エイサー隊:黒木綾子、上原大史、前田祐歩、山城誠 踊り手:與那覇利奈、友利剛太、兼城美幸 地謡:仲泊正夫
海やから
琉球村
  • 住所 沖縄県恩納村字山田1130
  • 電話 098-965-1234
  • 業営 9:00~17:30(受付17:00)
琉球ナビィロード
『琉球ナビィーロード』
琉球村35周年記念オリジナルCD
PRICE: 2,160円(tax in)

「海やから」 沖縄民謡

1)誰がし名付きたが どんどんぬガマや 遊び美童ぬ忍び所 海ヤカラ ドンドン スーリ エイスーリ

2)ドンドンガマ通てぃ 忍でちゃさ我身や 出じみそりヤカラ 語て遊ば

3)海やからに惚れてぃ かむるむんかまん 道端に泊まてぃ 親ぬ哀り

4)成てぃん成らりらん ぬちんぬかりらん いちゃさびが里前 後ぬ事や

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