photo: ジャン松元
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「デンサー節」は、西表島の上原集落の役人、宮良里賢によってつくられた教訓歌。BEGINのヒット曲「島人ぬ宝」で「トゥバラーマもデンサー節も……」と歌われている、あの歌です。歌詞を紐解くと、抑圧的な考え方に、若干の違和感を感じるかもしれません(3番)。この歌が誕生した18世紀は封建の世。封建的な考え方が色濃く反映されているのです。しかしながら、先人達が島の暮らしや家庭を豊かにしたいという想いや努力が伝わると同時に、今の世の「平等」な関係の大切さをも感じられる歌であると言えるでしょう。発祥の地である上原集落では、上原デンサー祭り(上原公民館主催)がデンサ節之碑広場で毎年(6月の第三土曜日)賑やかに開催されています。
「デンサー節」には、「上原ぬでんさ 昔からぬでんさ」からはじまる八重山バージョンとは別に「デンサー節作て童ん達に詠まち世間の戒み」からはじまる本島バージョンも存在します。明治時代、沖縄芝居師が、八重山へ公演に行った際持ち帰り、沖縄本島バージョンの歌詞が生まれ、多くの沖縄県民に親しまれるようになりました。沖縄民謡では「伊佐ヘイヨー」のチラシ(後続する色どりの歌)としても有名で、男女が恋を語らう楽しい歌詞となってます。歌い手によって、アレンジを加えられることが多いのも沖縄民謡の特徴です。「100年先に伝えたい沖縄の歌」として琉球村では伝統の「上原ぬデンサー節」を歌い未来に繋いでいます。
[歌詞]
1)上原(ウイバル)ぬでんさ 昔からぬでんさ 我(バ)ん心いざば聞(シ)きゆたぼり でんさ
2)島持つぃと家持(ヤーム)つぃ 舟乗とゆぬむぬでん 舟頭舟子(シドゥフナグ)親子(ウヤファ)揃にばならぬ でんさ
3)親子かいしゃ子から 兄弟かいしゃ弟から 家庭(キナイ)持つぃかいしゃ嫁の子(ファー)から でんさ
4)人ぬうふどぅやかなさねぬ 肝心(チムグクル)どかぬさる 肝心ゆ持つあばど世間や渡らり でんさ